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手術室から遠隔診療まで – 医療向けヒアラブルデバイスの革新的な活用事例を紹介

イヤラブルデバイスサンプルイメージ
※イヤラブルデバイスのサンプルイメージです。

 

1.医療用ヒアラブル端末とは?

耳に装着して使用し、医療やヘルスケア領域での診断・モニタリング・治療・業務支援を目的としたウェアラブルデバイスを指します。

① 基本構造

装着位置:耳の中(インイヤー)または耳の周囲(オンイヤー/ビハインドイヤー)
通信機能:Bluetoothや無線LANなどでスマートフォン、PC、医療機器と連携
センサー機能:心拍、血中酸素、体温、脳波、音声解析など

② 医療用途での機能例

  • 補聴・聴覚支援:補聴器、OTC補聴器(非医療機関経由販売)、AIによる音声強調
  • 生体モニタリング:耳道で測定する心拍・血中酸素・体温・脳波(EEG)など
  • 医療従事者向け通信支援:ハンズフリー通話、音声アシストによる作業効率化
  • 治療サポート:耳からの薬剤投与や神経刺激(例:耳介迷走神経刺激)

現状、医療用ヒアラブル市場の大半は補聴器が占めます。その他の耳装着型医療デバイスはまだ事例が限られ、市場拡大はこれからの段階にあります。

定義のポイント

  • 耳装着型であること(形状条件)
  • 医療・ヘルスケア用途であること(利用目的条件)
  • 必要に応じて医療機器としての法的要件を満たすこと(規制条件)

2. 世界市場、国内市場の全体像

医療用ウェアラブル市場規模はThe Business Research Company調べによると2023年で約279億ドル(約4兆1850億円、1ドル150円換算)。
The Business Research Company

製品タイプとしてはWatch(腕時計型)が64%と大半を占める。
ヒアラブル端末(Ear Wear)は全体の7%程度と推測する。

図1 製品タイプ別シェア:

図1 製品タイプ別シェア:
※Watch以外は公開情報と市場推計に基づく当社推定値であり実際の数値と異なることがあります

製品割合としては低いですが、Ear Wear(Hearable)は、年平均成長率25.9%という際立った成長率を示しております。
IMARCによる「日本の医療用ウェアラブル市場(2024年)」において、日本の医療用ウェアラブル市場は19.9億ドル(約3000億円)とされています。※1

そのうちのヒアラブル端末は約USD 139M(約208億円)と推定されます。この規模は150~300億円レンジの中間に位置し、現状はニッチ市場といえます。

しかしながら前述の年平均成長率を考えると将来的には伸びる分野と考えられます。特に日本65歳以上人口が全体の約3割(2023年時点)を占め、世界でも突出した高齢化社会です(総務省統計局)。この傾向は今後も続く見込みで、高齢者の補聴・健康モニタリング需要は確実に拡大します。

3.成長ドライバー

規制緩和(OTC補聴器制度)による参入障壁低下

規制緩和の代表例として、2017年成立の米国OTC補聴器法(Over‑the‑Counter Hearing Aid Act)があります。これに基づいてアメリカでは2022年10月から処方箋なしで「軽度〜中等度の難聴向け補聴器」を店頭・オンラインで販売できるようになり、Appleなど大手メーカーが参入するなど、医療用ヒアラブル全体の普及加速につながっています。

センサーの小型化・高性能化

耳装着型でも心拍や血中酸素だけでなく、体温や脳波などの測定が可能になりつつあります。これにより、睡眠時無呼吸や低酸素状態の検知、ストレスや疲労の推定など、医療・健康管理の幅広い分野での活用が期待されています。

バッテリー技術の向上

医療用ヒアラブル市場では、耳装着型デバイスにおける「小型・軽量・長時間稼働」は不可欠な条件です。近年の技術動向として、長時間駆動と装着快適性を両立できる電池開発が進展しました。※1 ※2

これらの技術革新は、「装着感+小型化+バッテリー持続」という3大課題の同時クリアを可能にし、実用化を後押しするブレイクスルーとなる潜在力を秘めています。

4.ヒアラブル端末はどのように成長していくか?
   今はどのような状況なのか?

こうした市場の変化や技術動向は、ニュースや公開レポートだけでは断片的な情報になりがちです。
医療用ヒアラブル市場は、調査会社によって定義や分類が異なり、数字やシェアの推定も大きくぶれることがあります。さらに、実際の現場での導入状況や課題は、公表されないことが多く、ネット調査だけでは見えてこない部分が多いのが実情です。
CAMI&Coでは、デスクトップ調査に加え、医療機関やメーカー関係者へのインタビューを行い、統計と現場の生の声を組み合わせた分析を提供しています。これにより、市場規模や成長率だけでなく、競合の動きや参入タイミング、ユーザーの本音まで含めた立体的な市場像を把握できます。

5.CAMI&Co.の調査サービスとは?

お客様からヒアリングをし、ご要望や方向性を加味したうえで、課題となっているテーマや対象の実情を、研究・市場などの面から俯瞰して仮説立てを行います。弊社が開発を提案する上での、あるいはお客様自身の今後の舵取りのための判断材料として、調査結果を提供いたします。

  • 市場調査:市場環境分析、マーケットサイズの成長などの調査
  • 技術調査:テーマに沿った技術・製品がどのように市場に出ているか、研究されているか
  • インタビュー調査:企業や学術機関などの有識者の方とのメールや電話、Web会議でのやりとり、あるいは面談による調査を行います。
  • 論文調査:研究論文でどのような点が重要視され、研究や実験対象になっているか、有識者として誰が挙げられるか、また一般的な論説を確認。

必要な調査ボリュームに応じたスケジュール・費用感で承ります。

過去のリサーチ受託案件(一部例)

※1 IMRC 「日本のウェアラブル医療機器市場」

※2 金属空気電池などエネルギー密度が高い電池で、デバイス稼働時間の延長が期待(従来のリチウムイオン電池を超える性能へ)Mddionline

※3 形状に合わせてデバイス内部に溶け込む柔軟なバッテリーの登場により、イヤーウェアの装着快適性も向上の可能性 Live Science

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