日々の業務において、会議は多数開催されています。
その中には、「なんとなく行われている会議」と「会議の在り方」に疑問を持つ会議もあるのでは。
会議は組織の効率と成果を向上させる重要な活動であり、情報共有や意思決定の場として機能しています。
しかし、良い会議と悪い会議の違いは明白です。
以前勤めていた会社でも会議が多数ありました。
複数のプロジェクトに関わっていたので、1日が会議で終わることもしばしば。
当時、「会議の改善プロジェクト」を実施したときのことを振り返りつつお話しできたらと思います。
GEMBAを知る(現状把握)
会議の改善をするうえで、まず私たちが行ったことは、現状把握です。
ただ、全社に対して行うには難しいので、スモールスタートとして同じ部門の会議が多い部署に対して行いました。
この部署は会議が多くて困っている部署でした。
自分が参加する会議をはじめ部署、プロジェクトメンバーと共に、会議の数、参加者人数、会議時間(予定時間、実時間)など徹底的に調査しました。
時には自分が参加しない会議でも「影」となり参加し、考察もしました。
その時の出た課題は
・会議の数が多い
・何のための会議なのか不明確
・意思決定の会議だったのに、決まらない
・発言する人が決まっている
・予定していた時間で開始しない/終わらない
・会議に関係ない人も参加しているように見受けられる(発言しない)
・会議に集中していない(内職している)
…などなど
会議の種類を分解
「会議」を分解したときに、どんな種類がありますか?
・意思決定
・アイデアを出す会議
・情報共有/報告会
・問題発見/解決
・コーチング型
上記がミックスした会議もあるかもしれません。
それぞれには「目的」が異なります。
会議の目的:
・意思決定:提案事項など合意を得る。方針を仰ぐ
・アイデアを出す会議:商品企画のアイデアをメンバーで出し合い「カタチ」にしていく場
・情報共有/報告会:各人が持っている情報を共有するために行うもの
・問題発見/解決:今後起きそうなトラブルを防止することや成長を阻害する要因を取り除くため/起きた問題に対する原因を追究し解決策を策定。今後起きないための策を検討する
・コーチング型:上司-部下間、先輩-後輩間で相談ベースに成長を促す
いずれも目的を明確にすることが大切です。
目的が明確であれば会議に参加する人も選定されてきます。
意思決定が目的なのに、意思決定する人が不在の会議はスケジュール変更したほうがいいでしょう。
情報共有/共有会ならだれに何を報告、共有したいのか。明確であればおのずと参加者も決まってきます。
アイデアを出す会議で、メンバーが少なければ、会議ではなく他の形でアイデアを募ることを検討することも必要かもしれません。
会議の目的が明確になるとその目的を達成するために、参加者が共通の目標に集中し、グループのシナジーを最大限に引き出せる場として機能します。
良い会議と悪い会議の違い
良い会議の例を挙げると、まず、明確な目的が設定されていることが重要です。
参加者は会議の目的やアジェンダを事前に知ることで準備ができ、効果的な議論ができるでしょう。
また、会議には適切な参加者が含まれることも重要です。関係者や専門家が参加することで、意見や情報の幅が広がり、的確な意思決定が行われます。
また、良い会議では参加者の意見を尊重し、対話的な雰囲気を作り出すことも大切です。
議題についての異なる観点やアイデアが出され、個人の意見を集約することで創造的な解決策が生まれることがあります。
さらに、会議ではディスカッションやディベートが行われ、データや事実に基づいた論理的な意思決定が行われることも重要です。
悪い会議の事例には、明確な目的やアジェンダが欠けている場合があります。
無駄な話題や個人的な議論が続き、タイムマネジメントが悪化することで参加者の興味が失われます。
また、リーダーシップの不足や主導権の乱用により、会議が混乱し、目標に対する集中力が低下します。
さらに、参加者の声や意見が十分に反映されず、一部の意見が優位に立つことで結果が偏った意思決定が行われることもあります。
良い会議でアジェンダを作ることが大切と伝えていますが、
アジェンダは会議の目的達成に向けて円滑に進むための材料です。
・何を達成したいのか。
・何を明確にしたいのか。
・何を共有/報告したいのか。
いずれも次の行動につながります。
あくまで会議を行う目的を明確にすることが大切です。
改善結果
会議の改善プロジェクトでは、目的を明確にすることで参加者の意識の変化もあり、参加者の選定することで会議の数、時間の短縮することもできました。
また、明確になったことで、会議招集された人も参加すべき会議の選択をすることもでき、本来参加すべき人が参加していないこともなくなりました。
お金に換算して数十万/月の改善効果があり、会社より表彰されました。
効果的な会議は組織の成果と効率を向上させる一方、悪い会議は逆効果となります。
明確な目的やアジェンダの設定、適切な参加者の参加、そして対話的な雰囲気の作りが大切です。
会議をすることが目的ではなく、前に進むための場としてとらえてみてください。